菊芋(キクイモ)の育て方 – 栽培時期・水やり・肥料・食べ方など

水溶性の食物繊維の一種で血糖値の上昇を抑えるイヌリンを多く含む食材として知られる「菊芋(キクイモ)」を栽培してみました。

栽培を始めた時期は2018年3月ですが、結果的に大成功だったので栽培方法をご紹介したいと思います。

「菊芋」の名前の由来

まずは名前の由来ですが、「菊芋」は9月〜10月頃に菊によく似た花を咲かせます。

菊に似た花を咲かせ、根(塊茎)が芋のようになるので「菊芋」という名前が付けられています。科名はキク科ヒマワリ属となります。

 

栽培時期

栽培時期(植える時期)は基本的に2月下旬〜4月頃までが良いでしょう。

冷涼地では4月下旬から5月中旬頃までに植え付けると良さそうです。

 

植え方

菊芋の種芋を植えるために土壌の準備をします。

まずは植え付けの2週間前に苦土石灰と完熟堆肥(うちの畑は牛糞を使っています)を入れてよく耕し、1週間前に化成肥料を入れて再度耕します。

苦土石灰と完熟堆肥を植え付けの2週間前、化成肥料を1週間前に入れる理由は、それぞれ水に溶ける速さが違うためです。苦土石灰や完熟堆肥は化成肥料と比べて効果を発揮するまでに時間がかかるため早めに施します。

菊芋は繁殖力が強いので畝は作らなくても育ちますが、収穫時の掘りやすさを考慮してうちの畑では小さめの畝を立てています。

続いて、作った畝に1メートル弱の間隔で種芋を植えていきます。

1メートル弱は広すぎるのでは?と思うかもしれませんが、菊芋は横に広がって育つのでそれくらいの間隔にしています。深さは10センチくらいで大丈夫です。

最後に水やりをすれば作業完了です。

あとは基本的に収穫時期まで何もしなくて大丈夫です。水やりや追肥も必要ありません。

どうしても何かするとすれば下記の台風対策と雑草処理くらいですが、茎が高く伸びるため地面の日当たりが悪く雑草が生えにくい環境となります。

その点、菊芋はあまり手がかからず非常に栽培しやすい作物と言えます。

 

台風対策

7月の様子

菊芋は茎が2〜3メートルほどの高さに育つため台風などの強風でなぎ倒される可能性があります。

うちの畑ではなぎ倒されてしまっても立派な菊芋が育ちましたが、畑全体の見た目が気になる方は支柱を立てて紐で軽く結んでおくと良いでしょう。

 

花は摘まない

菊芋は9〜10月ごろに菊によく似た綺麗な花が咲きますが、この花を摘んでしまうと菊芋の育ちが悪くなるので摘まないほうが良いでしょう。

 

収穫

収穫は11月〜12月となります。

菊芋は生での保存が難しいため、畑の場所に余裕がある方は食べる分だけその都度掘って、残りはそのまま土の中に残しておくことをおすすめします。

多めに掘り過ぎた場合は土を付けたまま新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に入れておけばイヌリンを減らさないまま1週間程度は保存できます。

 

菊芋栽培で注意すること

菊芋は生命力が強く、土の栄養をたくさん吸収します。周りの作物の成長に影響が及ぶ可能性があるため、狭い畑で他の作物も栽培している場合や隣(他人)の畑が近すぎる場合は迷惑をかけないように注意が必要です。

また、菊芋には連鎖障害があります。翌年以降も同じ場所で栽培する場合は元肥や堆肥を施す必要があります。

加えて、菊芋は繁殖力が強いため小さな菊芋でもしっかり収穫しなければやがて畑一面が菊芋だらけになって手がつけられなくなってしまう恐れがあります

小指の第一関節より小さな菊芋でも、畑に残してしまうと4月頃には芽が出て次々と繁殖する可能性があるため注意してください

 

食べ方

菊芋は見た目が生姜のようですが、味はじゃがいもに近いです。

食感はじゃがいもに比べると少しだけ固いですが、スライスして味噌汁に入れたり、カレーライスやシチューに入れても美味しく食べることができます。

【参考】菊芋を使ったレシピまとめ(クックパッド)

 

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