スナップエンドウ(スナックエンドウ)は甘みのあるサヤと実を一緒に食べられる人気の野菜です。自家栽培も比較的簡単で、春の収穫を楽しむことができます。
本記事では「ツルあり」のスナップエンドウの栽培時期や手順、必要な肥料、水やり方法などを詳しく解説します。
【この記事のポイント】
- スナップエンドウの栽培の基本
- スナップエンドウの栽培時期と収穫時期の目安
- スナップエンドウの具体的な栽培手順
- スナップエンドウ栽培の連作障害
スナップエンドウ栽培の基本
スナップエンドウの特性
スナップエンドウは、豆類の中でも成長が早く、寒さに強いのが特徴です。ツル性の植物で、成長に伴い支柱やネットでの誘引が必要です。また、甘みが強いので子供から大人まで楽しめます。
栽培場所の選び方
スナップエンドウは日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。半日陰でも育ちますが、日照不足だと成長が遅れたり収穫量が減少したりします。
土壌の準備
排水性と保水性のバランスが良い土壌が理想です。スナップエンドウは酸性土を嫌うため苦土石灰を混ぜて土壌を整える必要があります。また、1週間前には堆肥や化成肥料を施します。詳しくは後述します。
スナップエンドウの栽培時期と収穫時期
栽培時期
スナップエンドウの種まきは「秋(10月〜11月)」が一般的ですが、寒冷地では春先(2月下旬〜5月頃)に行うことも可能です。
収穫時期
収穫は開花後10~14日程度で可能です。実が膨らみ始めた頃が収穫のタイミングで早めの収穫が甘みを引き出します。
スナップエンドウの各地域の栽培時期
地域 | 種まき時期(2月下旬〜5月頃の種まきは寒冷地) | 収穫時期 |
北海道 | 3月下旬〜5月下旬 | 7月上旬〜9月上旬 |
東北地方 | 3月上旬〜5月上旬 / 10月上旬〜11月上旬 | 6月中旬〜8月中旬 / 5月上旬〜7月中旬 |
関東地方 | 2月下旬〜4月上旬 / 10月上旬〜11月中旬 | 5月下旬〜7月上旬 / 4月中旬〜6月下旬 |
中部地方 | 2月下旬〜5月上旬 / 10月上旬〜11月中旬 | 5月下旬〜8月中旬 / 4月中旬〜7月中旬 |
近畿地方 | 2月下旬〜4月上旬 / 10月上旬〜11月中旬 | 5月下旬〜7月上旬 / 4月中旬〜6月下旬 |
中国・四国地方 | 2月下旬〜5月上旬 / 10月上旬〜11月中旬 | 5月下旬〜8月中旬 / 4月中旬〜7月中旬 |
九州地方 | 2月下旬〜4月上旬 / 10月上旬〜12月上旬 | 5月下旬〜7月上旬 / 4月中旬〜6月下旬 |
沖縄 | 2月下旬〜3月中旬 / 10月中旬〜12月上旬 | 5月中旬〜6月下旬 / 4月上旬〜6月中旬 |
上表はあくまで目安となります。同じ地方内でも気候が違うエリアがございますので購入される種のパッケージに表示されている各地域のまきどきと収穫時期をご確認ください。温暖な気候のエリアでは沖縄以外でも2月下旬〜3月中旬 または 10月中旬〜12月上旬がまきどきととなる場合がございます。
また、最適な栽培時期は年々の気候変動の影響を受ける可能性がありますのであらかじめご了承ください。
スナップエンドウの栽培手順
① 土の準備
まずは種まきの2週間前に苦土石灰をまき、畑を耕します。
そして1週間前になったら完熟堆肥(私は牛ふんを使用)と化成肥料(N-P-K=8-8-8)を入れて再度耕し、土壌を整えます。
※元肥の量は完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100〜150g/㎡が目安です
② 種まきと水やり
2~3cmの深さに種をまき、5~10cm間隔で配置します。土でしっかりと覆い、軽く押さえます。
水やりは土を湿らせる程度に行います。その後は発芽するまで水やりはしません。
③ 発芽から間引き、発芽後の水やり
発芽後、本葉が2~3枚になったタイミングで間引きを行い、15~20cm間隔に整えます。
発芽後の水やりは土の表面が乾いたタイミングで行います。水を与えすぎると根腐れを引き起こす可能性があるので適量を与えるようにします。
④ 支柱立てとツルの誘引

ツルが伸び始めたら支柱とネットを設置し、ネットに絡ませるよう上に誘引します。(巻きひげが勝手にネットに絡みついてくれるので麻ひもやビニールひもで軽く結んで進行方向を微調整してあげるだけでOK。ネットはピンと張りましょう)
この時期の水やりは週に1〜2回が目安です。乾燥が続くと花付きが悪くなるので注意が必要です。
そして開花前後からは水切れを特に注意しなければなりません。過湿は良くないですが、実が大きくなるためには水分が必要なので花が咲き始めたら毎日水やりをして土が常に湿っている状態を保ちます。
⑤ 追肥
秋まきの場合、1回目は種まきから1ヶ月後、2回目はつぼみができ始めた頃に化成肥料(N-P-K=8-8-8)を1㎡あたり50gほど追肥します。
春まきの場合は開花後に1回目の追肥を行い、収穫最盛期に2回目の追肥を行います。量は秋まきと同じです。
なお、どちらの場合も3回目以降の追肥は様子を見ながら必要に応じて行います。収穫が終わるまで1ヶ月ごとに追肥することで長期間の収穫が維持できますが、生育が順調で葉や実の状態が良ければ必ずしも毎月必要というわけではありません。
元肥と追肥のスケジュールまとめ表
時期 | タイミング | 肥料の種類 | 量 |
元肥 | 種をまく前 | 完熟堆肥 | 2kg/㎡ |
化成肥料(N-P-K=8-8-8) | 100〜150g/㎡ | ||
追肥1回目(秋まきの場合) | 種まき1か月後 | 50g/㎡ | |
追肥1回目(春まきの場合) | 開花後 | ||
追肥2回目(秋まきの場合) | 開花前 | ||
追肥2回目(春まきの場合) | 収穫最盛期 | ||
追肥3回目以降 | 収穫終了まで1か月ごとが目安だが生育状況によっては必ずしも必要ではない | 化成肥料(8-8-8)または堆肥 | 化成肥料50g/㎡ または堆肥1kg/㎡ |
⑥ 収穫
実が膨らみ始めたら適宜収穫します。収穫のタイミングが遅れると甘みが減るので注意が必要です。
なお、収穫後の水やりは控えめにし、株の枯れ具合を確認しながら必要に応じて軽く水を与えましょう。
スナップエンドウ栽培の連作障害
スナップエンドウは連作障害を起こしやすい作物です。同じ場所で栽培する場合は3年以上の間隔を空けるか、土壌改良剤を使用してください。
総括:甘くて美味しいスナップエンドウを育てよう!
スナップエンドウは比較的育てやすい野菜ですが、ポイントを押さえることでさらに成功率が上がります。自家製の新鮮なスナップエンドウを楽しみましょう!
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