人気の夏野菜 きゅうりの作り方!栽培時期、水やり、肥料、強風対策など

きゅうりは夏野菜の中でも人気が高く、家庭菜園でも育てやすい作物です。しかし、成功させるためには適切な栽培方法を理解しておくことが重要です。

この記事では、きゅうりの栽培時期から水やり、肥料、土づくりの方法まで、失敗しないためのポイントを詳しく解説します。これからきゅうり栽培を始める方は参考にしてみてください。

※本記事では購入した苗を植え付けて栽培する方法を解説します

記事のポイント

  • きゅうりの適切な栽培時期と収穫時期
  • きゅうりの水やり、土づくりの方法と肥料の選び方
  • きゅうり栽培成功のポイント

きゅうりの栽培時期と収穫時期

きゅうりの栽培時期

きゅうりは夏野菜の代表で、一般的には4月下旬から5月に買ってきた苗を植え付け、6月から8月にかけて収穫します。(冷涼地ではおよそ半月ほど遅い時期に、また暖地ではおよそ半月ほど早い時期の植え付けが目安です)

特にきゅうりは暖かい気候を好むため、できれば晩春から初夏にかけての遅霜が降りなくなったタイミングで苗の植え付けを行ったほうが良いです。

つっつん村長
4月下旬から5月(一般地)というのは苗を買ってきた場合の定植時期です。種まき(苗作り)から始めたい方はもっと早くから準備をする必要があります。ちなみに私は上の写真のように毎年買ってきた苗を定植しています!

 

きゅうりの収穫時期

収穫したきゅうりの写真。ゴーヤも写っててゴメンナサイ

きゅうりは成長が早く、苗を植え付けてから約1ヶ月半で収穫が可能です。収穫期は6月から8月まで続きますが、成長スピードが速いため時期を逃さずに適切なタイミングで収穫することが重要です。

長く放置してしまうと大きくなって硬くなり、味も落ちるため、15~20cmほどの大きさになったら早めに収穫しましょう。

つっつん村長
私は何度か収穫が遅れて驚くほどの超巨大なきゅうりになってしまったことがあります(汗)
きゅうりはすごい速度で大きくなります。巨大化してしまうと美味しくなくなるので気をつけてください!

 

 

きゅうりの肥料と土作り

肥料の選び方

きゅうり栽培には、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)をバランスよく含んだ肥料が適しています。きゅうり栽培用の肥料があればそちらを購入されることをおすすめします。

定植前の土作りのやり方

きゅうりは排水性の良い土壌を好みます。畑の土壌が重たい場合は堆肥や腐葉土を混ぜて軽くし、水はけを良くする工夫が必要です。

また、酸性に傾いた土壌はきゅうり栽培に適さないため、定植前に石灰を施して酸度調整を行いましょう。

つっつん村長
基本的に私は定植の2週間前に苦土石灰を200g/㎡ 撒いて耕し、1週間前に堆肥(私は牛ふんを使用)2kg とKPIの割合が8-8-8の化成肥料250g/㎡ を撒いて再度耕しています。ですがどうしても時間がとれないときは定植の1週間前に「すぐ植え石灰」を撒いて耕し、そのまま堆肥と化成肥料を撒いて再度耕すこともあります。それでも十分育ってくれます。

 

植え付け(定植)方法

植え付け(定植)の間隔は35〜40cm程度です。

予めハンドスコップで穴を掘っておき、できるだけ根が切れないように優しくポットから取り出したら穴の中に入れます。

そして苗の根元が地表と同じ高さになるように土を調整します。土を優しく押さえながら苗を固定し、水をたっぷりと与えてください。

その後しばらくは土の適湿を保ちます。根は呼吸しているので土の表面が乾いたら水やりをします。とくに風が強い日や日差しの強い日は苗が乾燥しないよう、こまめに水やりを行いましょう。できればマルチングを行うと地面の乾燥を防ぎ、雑草の発生を抑えることができます。

また、植え付け直後の苗は根がまだ土にしっかり張っていないため強風の被害を受けやすいです。必要に応じて支柱やピンと張ったネットを設置し、麻ひもやビニールひもで苗を支柱に結びつけたり、以下のような方法で適切に管理してください。

強風対策の裏ワザ

きゅうりの苗を守るための、カテハジおすすめの強風対策方法があります。

それがこちら!

ずばり「行灯」(あんどん)です!このやり方なら風から苗を守るための要塞が手軽に作れます。

やり方は簡単で、堆肥や石灰等の空いた袋を捨てずに保管しておき、ちょうど良い高さにハサミでカットします。(カットせずに折り曲げて使ってもOK)

あとは苗の周囲を袋で覆い、袋が苗に接触しないように短めの支柱を数本ほど立てれば完成です。袋が輪っか状になっていない場合はガムテープや洗濯バサミ等で留めてあげてください。

行灯を外すタイミングはとくに決まっていませんが、私は苗が30cm程度に伸びてきたタイミングで外しています。伸びてきた苗は麻ひもやビニールひもで支柱に軽く結びつけ、上に伸びるように誘引してください。

この行灯はきゅうり栽培が終わったあとも保管しておけば翌年も使えてとても経済的です。

つっつん村長
この方法はその道60年以上の私の祖母から伝授された強風対策です。おばあちゃんありがとう!

 

適切な水やり方法

きゅうりの水やりのポイント

きゅうりは水分を多く必要とする作物です。特に花が咲き始めてからは毎日しっかりと水を与えることが大切です。

ただし、土が過度に湿りすぎると根腐れを引き起こすことがあるため、水はけの良い土壌を保つことも重要です。

 

水やりの頻度と量

水やりは朝か夕方の涼しい時間帯に行うのが理想的です。夏の暑い日中に水やりをすると水分がすぐに蒸発してしまうため、涼しい時間帯を選ぶようにしましょう。

また、根元だけでなく葉にも水をかけて葉の温度を下げることも効果的です。

 

追肥の時期

追肥は植え付けの1ヶ月後から行います。以降は、7〜10日に1回のペースで追肥を行います。

1回あたりの追肥量は以下が目安となります。

  • 化成肥料(KPI=8-8-8)を1㎡あたり25〜35g
    株元からは少し離れた場所に施します。株に直接触れないよう注意してください。
  • 液体肥料の場合は製品の希釈倍率に従い、1週間に1回程度与えるのが効果的です。
つっつん村長
できれば追肥に使う化成肥料は定植前に使ったものと違い、カリウムが多めのものを使ったほうがきゅうりが曲がるなどの症状が出にくいかと思います。ですが、それはコストがかかりますし、私はどこかに出荷するわけではないので定植前と同じKPI=8:8:8の化成肥料を使っています

 

成功のポイントは間引き、風対策、支柱立て、水やり、整枝、摘心、摘葉

間引きの方法(種まきから始める方用)

きゅうりの栽培では適切な間引きが大切です。苗が小さいうちに弱い苗を取り除いて元気な苗だけを残すことで、残った苗が十分なスペースと栄養を得ることができます。

つっつん村長
間引きが必要なのは苗作りから始める場合です。ポットに3粒ほど種まきをして、発芽したら1本ほど間引き、残り2本に本葉が出たら生育の良いほうを残して間引きます。
すでにこの作業(苗作り)が完了した状態の苗を購入する場合は間引き作業は不要です。ポットから出してそのまま畑に定植すればOKです!
ちなみに私はいつも間引き作業が完了した状態の苗を購入しています

 

強風対策

先述したとおり、定植からしばらくは強風対策が重要です、この対策が不十分だと苗が支柱と擦れてダメージを負い、失敗につながってしまいますので注意してください。

 

支柱立て

きゅうりは「つる性植物」なので、支柱を立ててツルを誘引する必要があります。これによりツルがしっかりと伸び、風通しも良くなり、病害虫の被害を防ぐことができます。

ちなみに、支柱立ては苗が15~20cmに成長した頃から始めると良いともされていますが、私は定植時からすでに支柱を立てています。麻ひもやビニールひもで苗を支柱に結びつけ、上に伸びるように誘引してあげてください。なお、先述した強風対策の行灯はある程度葉が大きくなり、苗が30cm程度まで伸びたら撤去しています。

 

水やり:きゅうりが曲がるのは水不足の可能性も

成長期に水不足になると曲がったきゅうりが出来てしまう可能性があります。水不足だけが原因とは限りませんが、成長期に水分不足にならないよう適切に水やりを行いましょう。

 

 整枝(せいし)

整枝の目的は株全体の形を整えて風通しを良くしたり、過剰なわき芽(子ヅル)の生育を抑えることで栄養を効率よく行き渡らせるためです。

やり方としては、地面から数えて6枚目までの葉の脇から出てくるわき芽をすべて摘み取ります。

7枚目以降のわき芽(子ヅル)は以下のように摘心します。

 

摘心(てきしん)

摘心とはツルの先端(成長点)を切ることです。これにより栄養が不要な部分に流れるのを防ぎ、果実の発育を促進します。

やり方としては、地面から数えて7枚目以降の葉のわき芽(子ヅル)から花(実)が1つないし2つついたら、その花のさらに上の葉を2〜3枚ほど残して先端を摘心します。こうすることで親ヅルに栄養が集中して成長が促進されます。

また、親ヅルが過剰に伸びた場合は親ヅルも必要に応じて摘心します。親ヅルの摘心には果実や他の枝(子ヅル、孫ヅル)に十分な栄養が行き渡らなくなることや、株の茂りによる病害虫発生の抑制効果などがありますが、あまり早く摘心を行ってしまうと株全体の成長が抑えられすぎるためタイミングには注意が必要です。株が十分に成長し、果実が安定して着果し始めた段階で行うのが良いでしょう。

 

必要に応じて「摘葉(てきよう)」も

摘葉の目的は古くなった葉や病害虫がついた葉を取り除き、風通しを良くして病害虫の発生を防ぐためです。

やり方としては、枯れた葉や日当たりを邪魔するような葉を適宜取り除きます。

ただし注意点としては、摘葉は株全体の光合成量に影響するため必要最低限に留めます。1回の摘葉で3~5枚程度が目安となります。葉が少なすぎると株が弱り、収穫量が減少するため摘葉のし過ぎには注意しましょう。

初心者向けアドバイス

初めて栽培する方はすべての作業を完璧に行う必要はありません。以下の点に注意し、少しずつ習慣づけていきましょう。

  1. 最低限、株元から6枚目までのわき芽を取り除く「整枝」を行う。
  2. 子ヅルが過剰に伸びたら「摘心」を検討する。
  3. 古い葉や病気の枯れた葉を見つけたら、ためらわずに「摘葉」を行う。

これらの作業を一度に覚えようとすると複雑に感じますが、目的を理解し、少しずつ実践することで次第にきゅうり栽培を楽しめるようになります。

つっつん村長
正直に言うと、私が家庭菜園を始めたばかり頃、「整枝」と「摘心」はよく分からなかったのでやっていませんでした。(「摘葉」だけはアドバイスをもらったので適宜やっていました) そのためツルはかなり生い茂っていましたが、それでもきゅうりは十分収穫できた覚えがあります。多少アバウトでも育ってくれるのでまずはチャレンジしてみてください♪

 

きゅうり栽培の連鎖障害について

きゅうりは同じ畑で何年も続けて栽培すると連鎖障害が起こる可能性があります

連鎖障害とは、特定の作物を同じ場所で連作することで土壌の養分バランスが崩れたり、特定の病害虫が増加したりして作物の成長や収量が悪化する現象です。

きゅうりの連鎖障害の主な対策を以下にまとめました。

対策

  1. 輪作をする
    きゅうりを同じ畑で育てるのは2~3年空けるのが理想です。同じ区画ではウリ科以外の作物を栽培しましょう。
  2. 接ぎ木苗を使用する
    接ぎ木苗は病気に強い性質があり、連鎖障害を軽減できます。
  3. 堆肥や腐葉土で土壌改良
    腐葉土や完熟堆肥を土に混ぜ、土壌の通気性や栄養バランスを整えることで病害虫に強くします。

まとめ

きゅうり栽培は、適切な時期に始め、本記事で紹介したポイントをしっかり抑えることで誰でも成功します。ぜひ家庭菜園でのきゅうり栽培に挑戦してみてください!

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